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料理長・藤原秀一からお客様へ

新しい出会いから始まる「日本料理」の冒険

各地で修行をしてきましたが、新潟は旨い食材が豊富ですね。米と酒だけではありません。
野菜で言えば、近くの五泉市で栽培している「帛乙女(きぬおとめ)」という里芋。
これは里芋では全国一の生産量だそうです。
郷土料理の「のっぺい汁」は、舌触りが滑らかなこの採れたての「帛乙女」と、江戸時代に日本で初めて人工孵化に成功したことで知られる、村上市のとと豆(鮭の腹子)を使います。

魚は「根魚(※)」が多いのが特徴です。
海流が激しい日本海沖ならではの身の厚さと、締りが素晴らしい。めったに手に入りませんが、佐渡の寒ブリなど抜群の旨さです。

「越後ハーブ豚」という耳慣れない食材があります。
もち豚が有名なのですが、ハーブ豚は、文字通り、えさにハーブをまぜて食べさせた豚です。
この豚のロース肉を2㎝角くらいにカットし、塩水に3日くらい漬ける。
それをねぎとしょうがで2時間くらい煮込みます。もちもちした食感が楽しめます。

この料理は、もともと中華の技法を取り入れて作ったのですが、味付けは味噌。
西洋や中華、郷土に伝わる料理法など、いろんなものを取り入れてきましたが、
やはり最後は伝統的な日本料理に立ち返り、特に味つけ、風味の基となるしょうゆと味噌にはこだわります。
和食だけでは物足りない。けれど、和食がベースにないとたんなる無謀になってしまいます。

知らない素材を見るとつい試したくなります。その時考えることは、
なぜその素材を使うのか、どういう意味があるのか、お客様にそれがどう伝わるのか。
「出合い物」といいますが、さまざまな素材との出会いの中で、一番の旬の組み合わせと料理法、食べ方を発見したいのです。同じ料理でも、どう食べていただくかによって、お客様の喜びは変わります。
刺身を食べる時に、小さなコンロで炙りながら食べる。あつあつの刺身が、意外と美味しかったりします。

味は出会いです。土地、人、食材、調理法。それは「旅」に似ていますね。
越の里にお越しになられたら、もうひとつの「いい旅」、「いい出会い」をお楽しみいただけるよう。
料理の驚きと発見を、お客様とともに楽しんでいきたいと思います。

※根魚 カサゴ・メバル・アイナメなど、海中のテトラポットや岩などの障害物(根)のある場所に生息する魚。根のある場所は網では漁が出来ないため、大量に出回ることがなく、高級魚になりつつあります。

夕食
新潟は、海、山、平野があり、海の幸・山の幸・里の幸と多様なご馳走がふんだんに味わえる味の宝庫。そんな新潟の旬の食材を中心に、真心こめて滋養に満ちた懐石料理をご提供させて頂きます。

朝食
朝食は、シンプルを基本に少量多種多彩にご用意させていただきます。その中にも、地のものをあしらって。
また、お客様に玉子料理、焼魚をお好みに合わせてお選びいただき、ご提供いたします。